相続手続きを進めるうえで最初に必要なのが「相続人は誰か」を正しく把握することです。法律で定められた順位と範囲を理解し、戸籍をたどって確定させることで、その後の遺産分割や申告がスムーズに進みます。
相続人を確認する3つのステップ
1戸籍謄本を集める
被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を、本籍地の市区町村から取り寄せます。
転籍や婚姻で本籍が変わっている場合は、複数の市区町村から取り寄せる必要があります。「法定相続情報一覧図」を法務局で作成すると、以後の手続きが楽になります。
2法定相続人の範囲を確認する
民法で定められた相続順位にしたがい、誰が相続人に該当するかを確認します。配偶者は常に相続人となり、子・親・兄弟姉妹の順位で決まります。
先に亡くなった子がいる場合、その子(孫)が代襲相続します。養子も実子と同じく相続人になります。
3相続人を確定させる
戸籍の内容と相続順位を照合し、法定相続人の全員を確定させます。相続関係説明図を作成しておくと一目で把握できます。
認知した子や前婚の子も法定相続人に該当します。見落とすと遺産分割協議がやり直しになる可能性があるため注意が必要です。
配偶者 ─ 常に相続人
法律上の配偶者は、他の相続人の有無にかかわらず、常に相続人となります。内縁の配偶者は法定相続人には含まれません。
第1順位
子(直系卑属)
実子・養子ともに対象。子が先に亡くなっている場合は孫が代襲相続。
第2順位
父母(直系尊属)
子がいない場合に相続人に。父母が亡くなっている場合は祖父母が対象。
第3順位
兄弟姉妹
子も父母もいない場合に相続人に。先に亡くなっている場合はその子(甥・姪)が代襲。
法定相続分の目安
| 相続のパターン | 配偶者 | 子 | 父母 | 兄弟姉妹 |
| 配偶者+子 | 1/2 | 1/2(均等分割) | − | − |
| 配偶者+父母 | 2/3 | − | 1/3(均等分割) | − |
| 配偶者+兄弟姉妹 | 3/4 | − | − | 1/4(均等分割) |
| 配偶者のみ | 全部 | − | − | − |
| 子のみ | − | 全部(均等分割) | − | − |
相続人確認で見落としやすいポイント
- 前婚の子や認知した子も法定相続人になる
- 養子縁組している場合、養子も相続人になる
- 相続放棄した人は初めから相続人でなかったとみなされる
- 代襲相続は子→孫→ひ孫と続くが、兄弟姉妹は甥・姪まで
- 遺言書がある場合でも、遺留分(最低限の取り分)は保護される